ウルフカットの源流 Part1~シャグ・ヘア(Shag Hair)~
ウルフカットはどのように確立したのか

ウルフカットというヘアスタイルは、そのワイルドで自由な魅力により、各時代にリバイバルを繰り返してきました。1970年代のロックシーンから始まり、マレット・ヘアとシャグ・ヘアとの融合を経て、1972〜1973年のデヴィッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」時代の髪型がウルフカットの原型とされています。そして2020年代には、韓国スタイルとの組み合わせによって再び注目を集めました。
今回はこのスタイルの起源となった2つの髪型のうちの1つ、「シャグ・ヘア」について詳しく解説していきます。
Shag Hairとは
定義
シャグは、英語で「もじゃもじゃ」や「ぼさぼさ」を意味する言葉から由来します、髪全体にレイヤーをたっぷり入れた軽やかで動きのあるスタイルを指します。
特徴
前髪とトップの長さがほぼ同じで、襟足に向かって長くなる後傾のマッシュルームがベース。
トップからサイド、バックにかけて全体的にチョッピー(切りっぱなし風)なカットで、ランダムな長さのレイヤーが特徴。
無造作でカジュアル、そしてアンニュイな雰囲気が強い
髪にパーマや梳きを加えることで、自然な動きやボリュームが生まれる。
起源
シャグ・ヘアは1970年代にロックやヒッピー文化の中で人気となり、ジェーン・フォンダやミック・ジャガーが代表的なスタイルアイコンとして知られています。特に、ジェーン・フォンダが映画『Klute』(1971年)で見せたシャギーな髪型は、象徴的な存在として語り継がれています。
源流のボウル・カット
シャグ・ヘアの源流は、1960年代のビートルズの「マッシュルーム・ヘア」だと考えられます。ただし、ミック・ジャガーはビートルズと同世代であり、直接影響を受けたというよりも、前髪をカットしたまま後ろ髪が伸びたような自然発生的なスタイルである可能性もあります。
もともとのマッシュルーム・カットは、トップの毛が長いグラデーションで動きが少ないスタイルでしたが、そのトップをざっくりとカットしレイヤーを加えることで、より動きのあるシャグ・スタイルへと進化していったようです。
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